無題どきゅめんと


「や――」ネギは耳にした呟きに、表情を変えて叫んだ。「やっぱりダメ――――ッッ!! 戻れっっ!!」

 放たれた魔法の矢は、その叫びに呼応し、標的からそれてあらぬ方へと向かった。ただし、放たれた魔法の矢は十一。ネギの叫びに応えて進路を変更した矢は八つだった。都合三つの魔法の矢は、あらかじめ定められた進路を邁進し、標的へと迫った。

「ね、ネギっ!?」

「兄貴、どうしてっ!?」

 自分の行動に、連れの二人が疑問の叫びをあげているが、ネギの耳には届かない。自分の迷いのゆえか、はたまた技量の未熟さゆえか。放った攻性魔法、『魔法の射手(サギタ・マギカ) 連弾(セリエス)光の11矢(ルーキス)』の三つは、狙った相手に突進している。突進し続けてしまっている。自分の教え子である、絡操・茶々丸目掛けて破壊の力を振りかざそうとしている。次の瞬間、確実に自分の教え子が傷付く未来を明確にイメージしたネギ・スプリングフィールドは、絶望に染まった声で教え子の名を叫んだ。

「――茶々丸さん、逃げてくださいっっ!!」

★☆★☆★

「ああ、葉加瀬さん」

「あ、おはようございます、横島先生」

 朝の通勤途中、横島は、おそらく大学部にある研究室から直接、登校してきたらしい葉加瀬・聡美の姿を見かけて声をかけた。自分の声に振り向いて、こちらにちょこんと頭を下げる眼鏡とおさげ髪がチャームポイントの少女の姿に、横島は苦笑を浮かべた。

「葉加瀬さん、寝癖、寝癖」

「えっ? ホントウですか、何処? 何処です?」

 何処というか全体的に。横島は、寝起きそのままにしか見えない葉加瀬の髪のことを教える。しばしわたわたとしていた聡美だったが、この場ではどうにも繕いようのないことに気付いて、髪を直すことをあっさりと放棄した。その様子に、横島は再び苦笑を浮かべる。人それぞれとはいうけれど。横島は思った。一言ぐらい注意をしておいてもバチは当らんだろう。

「葉加瀬さん、折角可愛いんだから、もう少し身嗜みに気をつけたほうがいいんじゃないかな?」

「あー、そのー」横島の苦言に、葉加瀬はしばし視線を泳がせたあとで、苦笑を漏らした。「どーも研究のほうに集中しちゃって。そっちのほうがおろそかになっちゃうんですよ」

 好きこそものの上手なれ、とはいうけれど。この少女はそれを地で行ってるなぁ、と横島は今朝三度目の苦笑を浮かべて、まぁ、ほどほどにね、と軽く嗜めた。そんな横島に、それよりも、と葉加瀬が口を開く。

「横島先生、お世辞が上手ですね」

「は?」

 天才と冠することになんら疑問を覚える余地のない自分の教え子の放った言葉に、横島はきょとんとした顔を浮かべた。お世辞? なんのこっちゃ?

「葉加瀬さん、お世辞って?」

 横島の言葉に、今度は葉加瀬が、理知的な印象を与えるその顔にきょとんとした表情を浮かべる番だった。

「いや、ほら」珍しく顔を赤らめながら、葉加瀬は言う。「私が可愛いって」

 おお、レアな表情やなー。普段は、色事方面に疎いためか、それとも、自分の研究以外への事象に興味がないためか、何かに恥らうという表情を見せることのない葉加瀬が浮かべた赤面の様子に、横島はそんなことを考えた。次に、自分の言葉がお世辞ととられたことに多少眉を顰める。

「むぅ。お世辞のつもりで言ったわけじゃないんだが」言いながら、自分の隣を歩く頭一つ分低いところにある葉加瀬の顔を背を屈めて覗き込むようにしながら横島は言った。「葉加瀬さん、自分が可愛いって気付いてない?」

「私が、ですか?」

「うん」

 自分の顔を覗き込みながら言う横島に、葉加瀬は目を白黒とさせた。初めて言われた言葉だった。彼女は思う。いままで、自分の頭の出来を褒められたことはあったけど。子供の頃――今でも充分子供だが――から、人様よりいくらか出来の良い頭を褒められたことは数知れない。そのことは誇らしく思うし、これからもそうだろう。だが、今まで自分の容姿を褒めてくれたヒトはいただろうか。葉加瀬は出来の良いその頭に刻み込まれた記憶の数々を反射的に掘り起こす。ない。そんなことを言われたことはない。思う。自分の価値は、この出来の良い頭脳だけだと思っていた。誰かに、容姿を褒められたことなど、可愛いと言われたことなどなかった。言われることなどないと思っていた。あまりメリハリの無い体躯。野暮ったい眼鏡。適当に整えただけの髪形。可愛いと言われることなどないと思っていただけに、等閑に付してきた。そんな自分を可愛いと、この先生は。そこまで考えて、葉加瀬は横島の顔が、その吐息を感じられるほどに近い場所にあることに初めて気が付いた。同性ですら息を呑んでしまうほどに整った容姿。黒曜石を切り出してきたような深い黒色の双眸。それを意識した瞬間、

「――――っ!!」

 葉加瀬は自分の顔が、火が出るほどに赤面するのを自覚した。

「そ、それより茶々丸はどんな感じですかっ!?」

「のわっ!?」

 ワケもなく赤面した自分を誤魔化すように発した葉加瀬の唐突かつ大音量の問いに、横島は思わず身体を仰け反らせる。仰け反らせて、葉加瀬の発した問いの内容に、はてな、と首を捻る。

「どーして、お――私に茶々丸さんのことを?」

「エヴァンジェリンさんのところで暮らしてるんですよね? 茶々丸から聞いてます」

 ああ、そういえば、と横島は葉加瀬の言葉に納得の頷きを一つ。この目の前の少女はエヴァンジェリンの協力者なのだった。ならば、自分があの小さな吸血鬼のもとに身を寄せていることを知っていても不思議はない。

「なるほど納得。でも、私がエヴァちゃんの家で寝起きしてるってのは秘密にしといてね」

「どうしてですか?」

「そりゃあ、ほら。教師が教え子の世話になってるって知れたらイロイロと体面が悪いだろう?」

 横島は冗談めかして葉加瀬に言った。もちろん、本音ではない。いくら葉加瀬・聡美がエヴァンジェリンの協力者であり、多少なりとも裏の世界――魔法のことに通じているとはいえ、この学園の裏側で誰に知られることもなくひっそりと進行している謀事に巻き込んでしまうのは如何なものか、と、少なくとも学園長あたりよりは良識のある大人でありたいと願っている横島が思ったがゆえの言葉だった。

「ネギ先生も明日菜さんのところにお世話になってますが?」

 いいんじゃないですか、別に? と首を傾げる葉加瀬に、横島は苦笑。

「ネギ先生は先生って言ってもまだ十才だからなぁ。一緒にするのもどうかと思うけど――と、茶々丸さんのことだっけ」言って、話題が随分とずれてしまっていることに気付いた横島が話のベクトルに修正を入れる。「そこらへんはメインカスタマーであるエヴァちゃんの意見を聞くのが妥当なんじゃないかな?」

「エヴァンジェリンさんは」葉加瀬は苦笑を浮かべながら言う。「兵装関連のことには煩いんですけど、それ以外のことは特に注文をつけてこないんですよ」

 だから、自分で定期的にデータを取って行動ルーチンなんかをアップデートするしかない、という葉加瀬に、横島はエヴァちゃんらしいなぁ、と苦笑。そして、そういうことなら、と自分が短い付き合いではあるが感じたことを口にする。

「正直言って、まるで人間なんじゃないかと思うね。確かに、口調なんかはあまり抑揚のあるほうじゃないから、そこら辺に『人間らしい』感情を読み取ることは難しいけど、それを補って余りある気配り――この場合は状況把握と分析、それをもとにした行動決定とでもいうのが正しいのかな? そう、並みの人間では及びもつかないほどに気配りが出来る。大したもんだ、というしかないな。はっきり言って、人間と――構成素材が違うだけの『人間』と言うべきだよ、茶々丸さんは」

「――ありがとうございます」

 正面きっての賞賛に、葉加瀬は赤面した顔を隠すかのように多少俯きながら礼を口にした。同時に、自分の『娘』を人間のようだ、と評した横島に素直な好意を覚える。彼女のような人間が目指すところは、より人間らしいロボットを作り上げること。ひいては人間を作り出すことだ。そして、目の前の相手は自分の『娘』である茶々丸を人間と評した。好意を抱かぬ理由がない。

「ところで、横島先生の授業って判り易いですよね」

「うん? いや、それは葉加瀬さんの学力が高いからなんじゃ?」

 好意には好意を。葉加瀬は横島の授業を受けて感じたことをストレートに口にした。そんな葉加瀬の言葉に横島は謙遜してみせ、

「ええ、それもあると思いますが」葉加瀬はその謙遜を肯定し、その上で横島の授業を評価する。「でも、他のみんなも言ってますよ。私もそう思います。横島先生の授業は、伝えるべきことの本質を伝えているというか」

 それは、横島の才能だった。かつて、ここではない世界では成績不良生徒で名の通っていた横島だったが、それは単に生活費を稼ぎ出すバイトが忙しく勉学に余力を振り分ける余力がなかっただけである。物事の本質を掴む。それが天が横島に与えたもうた比類なき才能の一つであった。その才能があったからこそ、横島は経営のケの時も知らぬ身でありながら、上司のいない職場をきりもりし、下手をすれば上司がいたときよりも職場を繁盛させることができたし、戦闘のセの字も知らぬ身でありながら、必要なことを必用な時に見出し、実行することによって幾多の戦いを生き残ることが出来たのだ。そして、まともに教育を受けた横島が教師になったとき、それはまさに教師の中の教師とでも評すほどの授業内容を実現させていた。

「褒めすぎだと思うけどなぁ」

「そんなことありませんよ」

 あくまで自分を持ち上げようとする葉加瀬に、横島はこそばゆい思いになり――話題を変えようとして、自分が葉加瀬に声をかけた理由を思い出した。

「ああ、そうそう、葉加瀬さん。ちょっと耳を貸してもらえるかな」

「なんですか?」

 言われて、葉加瀬は教室へと向かう足を止める。立ち止まった葉加瀬の耳に、横島は外聞をはばかるようにして口を寄せ、用件を告げた。

「それだったら――ええ、お昼に大学部のほうの研究室に戻って……そうですね、放課後までには用意できますよ」

「ゴメン、それじゃあ頼まれてくれるかな?」

 有り難い、と両手を合わせて自分を拝むようにする横島に、葉加瀬は苦笑を浮かべ、素直な疑問を口にした。

「でも、そんなもの何に使うんです?」

「いや、大したことじゃないよ」

 うん、別にやましいことに使うわけじゃないから、と横島が言うと、横島先生がそんなことするなんて思ってませんよ、と邪気のない顔で言われて、横島はちくりと胸に痛みを感じる。再び教室へと歩き始め、気が付けば茶々丸に使われている技術に関する意見交換が始まっていた。茶々丸さんの動力伝達系だけど、間接の各部にモーターを仕込む方式のほうが効率がよくないかな? ええ、そのとおりです。でも、横島先生、茶々丸の動力ってゼンマイですよ? ああ、そうか。だからあえて採用してないのか。はい。確かに、エヴァンジェリンさんから魔力供給を受けている状態であれば、魔力を電気に変換してモーターを可動させることも出来ますが、その時のためだけに動力伝達系を二系統にしてしまうと、デッドウェイトが増えて結局は動作性能が落ちてしまうんです。なるほどなぁ――うん、そうか。つまり、動力が問題なのか。ええ、でも、現存するバッテリーではすぐに稼動限界が。いや、うん。それに関してはアテがあるんだ。へ? そうなんですか。良かったら、今度――

「――お」

「――あ」

 横島が何かを提案しかけたそのとき。辿り付いた整然と並んだ下駄箱の前で――

「あ――」

「む――」

「(むかっ)」

「(ぺこり)」

 睨みあう一団と遭遇した。難儀な顔が揃ってる場所に出くわしたなぁ。横島は思わず溜息をつきたくなるのを我慢して、軽く手を挙げて、

「――おはよう、みんな。で、何をしてるのかな?」

 判りきったことを聞いてみた。帰ってくる反応は様々だった。

「あ、タダオ、これは、その」

「おはよう、横島『先生』。なに、ネギ先生と朝の挨拶を交わしていただけさ」

「おはようございます、横島先生」

「…………」

 うん、ネギ、敬語と敬称忘れてる。エヴァちゃん、なにもそない強調して先生って言わんでも。ああ、茶々丸さん、今日も弁当有難う。うわぁ、明日菜くんめっさ睨んでる睨んでる。帰ってきた反応に、横島は小さく苦笑。ふと時計を見れば良い時間になっている。まぁ、とりあえずお茶を濁しておこうか。

「――じゃあ、私は職員室に行ってくるから、また、あとで」

 言って、横島は一団に背を向けた。瞬間、ネギの肩に乗っているオコジョと目が合う。が、特に気にするでもなく、横島はその場をあとにした。

★☆★☆★

「――というわけで、最近では物騒な噂もあるので、みなさん気をつけてください」

 下校前のH・Rで、横島は放課後を待ちきれずに気もそぞろといった按配の生徒たちにむけて注意を促していた。むろん、物騒な噂、というのは桜並木の吸血鬼のことである。とはいえ。横島は思った。もう、生徒たちが襲われることはないだろう。なにせ、そこいらの一般人を襲うよりも確実に、そしてより上質の血を提供する餌が件の吸血鬼の近くにいるのだから。うん、生徒が教われないのはいいけど、もそっと手加減して吸ってくれんかなぁ。茶々丸さんが気を効かして精のつく料理や弁当をこさえてくれんかったら絶対貧血になっとるぞ、俺。

 内心で有難やー有難やー、と茶々丸に対する感謝を捧げる横島の視界には、当の小さな吸血鬼の姿は映っていない。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル――絶好調サボリ中である。

「さて、ネギ先生」仕方ないな、と家主の所業に苦笑しながら、横島は自分の隣にいるネギに声をかけた。「私からは以上ですが、ネギ先生からは、なにか?」

「え――あ、はい」横島の隣でなにか思い悩む風情で考え込んでいたネギは、その声にはっと顔をあげ。「――いえ、特にありません」

 ネギがそう答えるのを確認して、横島は頷いた。

「それじゃあ、みなさん。また明日」

 先生さよーならー、と今日びの中学三年生とは思えぬほどに朗らかな声に、横島は、はい、さようなら、と答えて――

「ネギ先生、ほら」

「あ、はい。みなさん、また明日」

 横島に軽く首の後ろを叩かれて、ネギは生徒たちに一日の別れを告げる。ぞろぞろと教室をあとにする生徒たちに混じって、出席簿を持ったネギと横島が、教室の扉をくぐる。しばらく、黙り込んで横島の隣を歩いていたネギは――

「あの、タダオ!」

 何かを思い詰めたような調子で声をかけてきた。

「はい、ネギ先生? なにか?」

 そんなネギに、他人行儀な調子で横島は答えた。そこに含まれているのは、言外に、俺を頼るな、という無言のメッセージ。だが、それに気付いているのかいないのか。ネギは、横島に尋ねる。

「その、放課後あいてるかな?」

「――ああ、ごめんなさい。ちょっと用事があって」

 今から学園の外にいかないといけないんですよ。あくまで他人行儀な調子を崩さずに言う横島に、ネギは肩を落とした。多少、気の毒に思いながらも横島はそんなネギに、また明日、ネギ先生――と別れを告げ、歩み去る。ネギは、その背中を黙ってみつめるしかなかった。

「――こら」

 そんなネギの背中を、ばしんと叩く人影。掛けられた声と、わずかな痛みにネギが振り向けば、そこには、

「なにしょぼくれた顔してんのよ!」

 ツインテールの少女が肩を怒らせて立っていた。

「あ、明日菜さん」

「つーか何あんなの頼ろうとしてんのよ!」

 どうやら、横島に対する心証がよろしくないツインテールの少女――神楽坂・明日菜は、ぷりぷりとした様子でネギに詰め寄った。そんな彼女を、まぁまぁ、と宥めるのは、いままで何処にいたのか、何時の間にかネギの肩に乗っているオコジョ妖精だった。だが、オコジョ――カモは、明日菜を宥めながらも、だけどな兄貴、とネギに言う。

「忘れてるのかも知れねぇが、横島のアネサンは引退した身だぜ? いわば堅気の人間だ。兄貴、良い魔法使いたらんとする兄貴が、堅気の人間をこっち側に巻き込むのは感心しねぇぜ」

「う、でも――」

「ああ、もうっ!!」

 自分たちの言葉に、なおも言い募ろうとするネギに、明日菜は癇気を爆発させた。がしっ! とネギの肩を掴むと、有無を言わせぬ調子でネギを人気の無い場所まで連れていく。その迫力に、為すが侭にされるネギ。あまり利用する者がいない、校舎のはずれの階段、その踊り場まできて、明日菜はようやくネギを開放した。

「あの、明日菜さ――」

「ようはパートナーってやつがいればいいんでしょ!」明日菜の様子に、何事か、と目を白黒させていたネギに、その明日菜が啖呵をきった。「いいわよ、なってやろうじゃないの、私が!」

 その言葉に、場が凍りつく。無限にも思える数秒が過ぎて――

「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 ネギの魂消る声が踊り場に響く。その声の大きさに、ネギの肩に乗っているカモは思わず耳を塞ぐ。塞ぎながらも――

(こりゃあ、いい具合に)

 状況が進んだ、と内心で思う。自分の、オコジョ妖精としての勘が、目の前で鼻息を荒くしている少女はイケる、と告げていた。もちろん、確証などはない。ないのだが――

(俺っちの勘にビンビンくるぜ)

 カモは確証なき自分の勘を信じていた。一方、

「あ、明日菜さん何を言ってるか判ってるんですか!?」当のネギは、当惑を隠しきれずに明日菜に翻意を促していた。「ま、魔法使いのパートナーは遊びじゃないんですよ! それに、今、ボクが狙われてるのはとっても強い吸血鬼のエヴァンジェリンさんなんです! そのエヴァンジェリンさんとの戦いに、一般人の明日菜さんを――」

うるさいっ!!

 ネギの奔流のような翻意を促す声を、明日菜の大音声が一喝した。その迫力に、思わずネギは言葉を失う。肺活量の限界近い大声でネギを黙らした明日菜は、自分の喝に驚いているネギに、莫迦にするな、とばかりに言ってのける。

「遊びじゃない? 判ってるわよ! エヴァンジェリンが強い? 知ったこっちゃないわ! 私はね――」明日菜は、強い意志の込められた視線でネギの丸く開かれた双眸を覗き、言う。「知った顔が――それも、ほんのガキが泣いて困ってるのを黙って見過ごすほど薄情じゃないのよ!!」

 再び、踊り場を沈黙が支配する。ネギは、明日菜の言葉に半ば思考を停止し、明日菜は――

(――うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!?)

 内心で悶絶していた。うわ、思わず勢いでなんかスゴイこと言ってない、私? それに、ホントならガキなんて大嫌いなのに――違う! 絶対に違うわよ!! エヴァンジェリンが言ったみたく、ネギに情が移ったわけなんかじゃないのよ! ただ、あんな胡散臭い女をいつまでもタダオタダオってこのバカガキが言ってるのがハラがたって。あんな胡散臭い女を頼りにする前に私になんで私を頼んないのよ! いっつもいっつもヒトのベッドに潜り込んできて甘えるくせに!!

 おそらく、今の明日菜の内心に吹き荒れる意識の奔流の内容を知るものが居れば、十人が十人、こう言うだろう。

 立派に情が移ってる、と。

 そんな明日菜の内心は露知らず。ようやくのことで精神が常に復したネギは――

「あ、明日菜さん――で、でも……」

 自分を頼れ、と言ってのけた明日菜の言葉と態度に心強さを感じながらも、だが、いまだ踏ん切りがつかないでいた。そんなネギを見かねたカモが、男臭い笑みを浮かべて声をかける。

「頼っちまいな、ネギの兄貴」

「か、カモくん? で、でも――」

「確かに」ネギの言葉をみなまで言わせずに、カモは何処からか煙草を取り出して火をつけると、一服紫煙をくゆらして言う。「明日菜の姐さんは一般人だ。紛うことなき素人だ。だが、だがな、ネギの兄貴。義侠心から差し出された手を掴まないってのはいけねぇ。いけねぇよ。男が廃るってもんだぜ」

 それに、とカモは言う。

「言っちゃなんだが、ネギの兄貴はまだまだ子供だ。足りないとこばっかだ。だからな、ネギの兄貴。誰かを頼るのは恥じゃねぇ。一般人は頼れねぇ? そういう台詞は一端の大人になってから言うもんだぜ。兄貴、ネギの兄貴。子供の兄貴は、まだまだ誰かを頼って当然なんだ」

 だから、とカモは言う。

「頼っちまいな、明日菜の姐さんを。掴んじまいな、差し出された手を。いつか、差し出された手を掴むんじゃなく、誰かに救いの手を差し伸べられる立派な大人になるまで」

 そんな、聞き様によってはキツイ、カモの言葉に、ネギはしばらく俯くようにして黙り込み――

「うん」

 意を決したように顔をあげ、力強く頷いた。

「そう、だね――ボクは子供なんだ。いままで、一人で立派に、って思ってたけど――ボクは、一人じゃまだ何にも出来ない子供なんだ」

 だから、とネギは明日菜の顔を確りと見ながら、言った。

「明日菜さん、ボクに力を貸してください」

 ボクが立派な魔法使いになる、その日まで。そう告げたネギの顔は、けして子供のものではない、何事かを決意した男の顔をしており。その表情に不意を突かれて明日菜はしばし言葉を失っていたが――

「――最初からそう言いなさいよ、バカネギ!」

 快活な笑みを浮かべて頷いてみせた。


「で」

 がっしとネギと手を結んで互いの決意を確かめ合った明日菜は、その光景に感無量といわんばかりの表情を浮かべていたカモに尋ねた。

「パートナーになるって言ったのはいいんだけど、いったいナニをどーやってなるのよ?」

 その問いに、カモは先ほどの表情は幻で、むしろこっちの方が本性じゃないのか、と言いたくなるような表情を浮かべた。どんな表情かってぇと――

「へっへ、キスですよ、キス。明日菜の姐さん」

 ――酒呑んで若いおねーちゃんに絡んでセクハラしてるオヤジみてぇなツラ。

「き、キス――――――――――ッッ!?」

 キスっていうと、アレ? もしかしなくても唇と唇がこんにちわとばかりにくっつくアレ? そんな明日菜に、カモは我が事成れり、とばかりの表情で頷いた。

「へっへ、もしかしなくてもそのキスですぜ、明日菜の姐さん」

「え、ちょっ!? ……ええっ!?」

 あれ、もしかしなくても私ってばはやまちゃった? そな表情を浮かべている明日菜に、カモは意地の悪い表情で尋ねる。

「――おや、姐さん。さっきの口上は嘘かなにかで?」

 それとも、初めてですかい? と問うてくるカモに、明日菜は売り言葉に買い言葉、とばかりに、

「や、やってやろうじゃないのよ!!」

 ネギにキス。でも、

「ああっ!? 姐さんオデコなんてそんな半端なっ!?」

 初めてってのはイロイロ大切なんだ、カモ。特に夢見る年頃の女の子にとっては。


 無事に? 仮契約を済ませたネギと明日菜に、カモは圧倒的戦力を誇る敵を打倒するために許された弱者の戦略を教授する。各個撃破。敵戦力が分断したところで、多勢に無勢とばかりにとっちめる。それが、カモの戦略だった。そんなカモの戦略に、ネギは難色をしめした。純粋な子供にとっては、卑怯と映ったらしい。カモは、そんなネギの純粋さを好ましく思いながらも、勝ち方、戦い方を選り好みするのはもっと強くなってからだ、と諭した。まずは、勝たなくてはならない。その、カモの言葉に、ネギはしばし考えてから頷いた。自分の弱さを知ったがゆえの、自覚したがゆえの頷きだった。そして――

「…………」

「…………」

「め、メチャクチャいい奴じゃないの――っ! しかも街の人気者だしっっ!!」

「え……えらいっっ!!」

 折り良く一人になったエヴァンジェリンの従者、絡操・茶々丸に狙いをつけたネギ一行であったが、茶々丸の昨今稀に見る善人ぶりと、そこからくる街の住人からの人気の高さに戸惑っていた。いや、ほんとに悪の吸血鬼の手下なのか、アンタ。思わずツッコミたくなる一同。そして更に後をつけ――

「「……いい人だ」」

 野良猫に餌をやる茶々丸のほのぼのとした空気に癒され、思わず涙ぐんでみたりするネギと明日菜であった。そんな二人の様子に慌てたのは――

「ちょっ……待ってくださいよ二人とも!!」

 ついつい、敵戦力の各個撃破という至上命題を失念し、茶々丸の善人っぷりに当てられているネギと明日菜に、カモが声をあげる。

「ネギの兄貴は命を狙われたんでしょーが! しっかりしてくださいよぅ!」

 そこにいる善人が、『敵』だと思い出させながら、カモは言う。同時に、思う。チクショウ、俺からみても一部の隙もねぇ善人だ、あのロボットの姐さん。くそ、もっと悪役らしくしてくれねぇと困るじゃねぇか。まったく。チクショウ、首尾よく行ってもしばらく夢見が悪そうだぜ。

「と、兎に角、人目のねぇ今がチャンスっす! 心を鬼にして、ここは一丁、ボカーっとお願いします」

 心を鬼にして言うカモ。

「でも」

「……しょーがないわね」

 いまだ渋るネギと、諦めたように言う明日菜。彼女は、ネギを見る。

「ネギ、気持ちは判るわ。でもね、でも……ああ、もう。茶々丸さんがもうちょっと嫌なヤツだったらいいのに!! ネギ、ホントウに、ホントウのホントウにアンタの気持ちは判るわ。でも、あの子は、敵――アンタを狙う、エヴァンジェリンの敵なのよ」

「そうだぜ、兄貴」自分に言い聞かせるようにして言う明日菜に、カモは頷きながら言う。「それとも、ネギの兄貴は――自分の夢を諦めてエヴァンジェリンにやられちまうつもりなのかい?」

「――――っ」

 ここに、ネギの決意は固まった。

★☆★☆★

「さて、と」

 縋るような視線を背中に感じながら、それを振り切って校舎を出た横島は、学園内を覆い尽くすようにしている石畳の上でパンプスの奏でる靴音を響かせながら、安手のハンドバッグから、携帯式のラジオのようなものを取り出し、そのイヤホンを耳に嵌めた。本体の摘みを調節して――

つーか何あんなの頼ろうとしてんのよ!

「おお、聞こえた聞こえた」

 イヤホンから聞こえてきた言葉に耳を傾けた。それにしても、あんなの呼ばわりかぁ。こりゃあ、本格的に嫌われたなぁ、とほほ。将来が楽しみな美少女から『あんなの』呼ばわりされたことに肩を落とす横島に音声を届けるのは、ネギに付けた盗聴器の発信機の電波を拾うその本体だった。横島の使うそれは、葉加瀬・聡美が昼休み返上で、間に合わせの材料ででっちあげたものであった。朝方、横島が葉加瀬に頼んだのは、これであった。目的はもちろん、ネギたちの観察。そうそう悟られるとは思わないが、万一、『遠/視』とでも刻んだ文珠を使って霊力を感知されると面倒なので、こうした回りくどい方法をとっている。だが、横島は魔法に頼ることになれている魔法使いたちが、こうした手段に気付き難いことを経験として知っていた。だからこそ、こんな方法をとっている。

 H・Rの終わり際に、ネギの襟首に仕込んだ発信機のもたらす音声に耳を傾ける横島は、明日菜がネギのパートナーになったことを知り、かすかに眉をあげた。うーん、やっぱここらへんもあのジジイの計算のうちなんだろうなぁ。お、各個撃破を選択するか。まぁ、悪い判断じゃあねぇな。カモをネギんとこに送ったのは正解だったな――

「さて、と」

 ネギたちの方針を確かめた横島は、何時の間に止めていた歩みを再会した。向かう先は、届く音声から推察できるネギたちの場所。何がどうなるにしても、後始末をする自分が、ネギたちが事を起こす場所に控えていないのは問題だからだ。

 道すがら、横島は、茶々丸の善人っぷりに感じ入るネギたちの声に苦笑をもらす。はっは、茶々丸さんは出来た子だからなぁ、無理もないか。思う横島の歩調は、我知れず早まっている。横島はそれに気付いていた。自分の役割は、どちらにも加担せずに、いかなる結果が発生しようと、それを見届け、後の始末をつけること。横島は自分にそう任じていた。だから、歩調が早まるのは、それを見届けるため。そうに決まっている。

 自分に、ワケも判らずに言い聞かせるように考えているうちに――

「もう始まったか」

 遠目に、契約執行の、魔力の煌きが目に映った。魔力を供給された神楽坂・明日菜の身体が、弾丸のように茶々丸に向かっていくのを横島は見た。速い。ホントウに素人なのか、あの子。遠くそう思う横島を他所に、明日菜は茶々丸が防禦のために出した腕を掻い潜り――

「デコピンかよ!?」

 明日菜の繰り出した攻撃に、横島は思わずツッコミ。だが、意識の外ではそれでかまわないと思っている。『魔法使いの従者』に求められるものは、主たる魔法使いが呪文を詠唱する時間を稼ぐこと。それを為すためならば、その方法はなんだって構わない。その証拠に、

「――――っっ」

 横島は、やはり素人丸出しとしか思えない攻撃で明日菜が茶々丸を封じている隙に、ネギが魔法を、攻性魔法を詠唱し、発動するのを見た。

すいませんマスター』横島の耳に嵌めたイヤホンが、ネギの耳にした音声を流す。『もし、私が動かなくなったらネコのエサを……

「やっぱりダメ――――ッッ!! 戻れっっ!!」

 自分のところまで届くネギの切羽詰ったネギの言葉に、横島は苦い顔を浮かべる。減点だ、ネギ・スプリングフィールド。力を振るう前には、いくら悩んでも構わない。だが、力を振るったあとで悩むと――碌なことにならない。振るう最中に迷われた力は、振るう者も、振るわれた者も害する――そこまで考えて、だが、横島は自分が笑みを浮かべているのに気付いた。どうして、と思う刹那の直後、ああ、と横島は納得した。自分は、茶々丸が傷付いた後の始末をせずに済むと判って、安心している。そう、ことによっては、茶々丸を見殺しにするつもりだったのだ。そうあれ、と自分の立ち居地を決めた。だからこそ、ネギが躊躇ったことに安堵している。ざまあないな、横島・多々緒。

 だが、

「ッッ!?」

 横島のその安堵と自嘲も、ネギが呼び戻したあともなお茶々丸目掛けて驀進する光の矢を見て吹き飛んだ。光の矢が迫る。自分の役目。光の矢が迫る。傍観者ときめた自分。光の矢が迫る。自分が一度裏切った小さな吸血鬼に従う茶々丸。光の矢が迫る。もう間に合わない。光の矢が迫る。まるで人間のような彼女。光の矢が迫る。こちらが、横島先生の分のお弁当です。光の矢が迫る。マスターをお願いします横島先生。光の矢が迫る。自分は傍観者だと決めた。光の矢が迫る。機械の瞳に慈しみの光を称えて主を見るロボットの彼女。光の矢が迫る。誰かの姿とだぶる。光の矢が迫る。間に合わない。光の矢が迫る。脳裏に――

 ――生きてね、ヨコシマ――

 ――マリア……横島さん・好き――

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!

 気が付くと、横島は声をあげて飛び出していた。飛び出してしまっていた。失うのはゴメンだった。誰かの面影が浮かんできた。それだけで充分だった。声をあげながら、横島は苦笑。まったく、まだまだだな、俺も。咄嗟にスーツのポケットに隠してある文珠を発動させる。並みの方法では茶々丸は害されてしまう。使う文珠は三つ。刻む文字は『超』『加』『速』。彼女のいた世界において、一部の神魔族が使っていた超絶技法。それを文珠で再現。これで大丈夫――超加速状態に入った横島は安堵を漏らし、

(やべっ!? 俺が介入したってバレたらアカンやんけ!!)

 今更気付いてみたり。うっわ、どーしよう? と遅くなる周囲の中で横島は考え――

「あれしかないか?」

 すっげぇ嫌そうなツラでそう呟き、再び文珠を――双文珠を取り出した。刻む文字は――

★☆★☆★

 爆音が周囲に響き、

「――――ちゃ、茶々丸さん」

 呆然と呟くネギの視線の先で、茶々丸が、自分の教え子が爆煙に包まれた。ああ、自分はなんてことを――ネギは、自分が呼び戻した光の矢が迫ってくるのにも構わず、その場にへたり込んだ。風が、吹く。土煙が、晴れる。

「――――え?」

 そこに目にしたものは、

うひゃ―――――――――――――んっっ!?

 ネギは、八つの光の矢の直撃に吹き飛んだ。慌てる明日菜とカモ。ネギに駆け寄る。幸い、魔法障壁が功をなして、酷い傷は負っていない。とはいえ、ずたぼろではある。そんなネギの様子に、一人と一匹は、とりあえず安堵の声を漏らした。ついで、もう一つの着弾点に目をやり――

「――――」

「――――」

 揃って絶句した。目に映るのは、口元を覆うように翻っている長いマフラーのような布。風にたなびく漆黒の髪。後ろに庇う無傷の茶々丸の前に立つ姿は威風堂々。前にかざした右手に輝く、六角形の光の壁。そして――

「――――ふっ!」

「「あっ!?」」

 小さな掛け声とともに、それは茶々丸ををさっと抱かかえると、その場から飛び去った。飛び去ってしまった。痛みに唸るネギを他所に、明日菜とカモは、それが消えた方角を呆然と眺めていた。


 風斬りながら空を行くそれに抱かかえられた茶々丸は、自分の無事を確かめると同時に、自分を救ってくれたそれに礼をいう。

「――有難う御座います、横島先生」

「私は横島先生ではない!!」

 即答された。どうみても横島先生だと判断します。視覚情報からそう内心で判断する茶々丸に、横島ならぬそれは力強く宣言した。

「私は横島先生そっくりの人間が大勢住むヨコシマ星からやってきた宇宙人、ヨコシマン――いや、ヨコシマン・レディーだっっ!!

 説明しよう!!(※ナレーション・富山敬) ヨコシマンとは、とある事件で重傷を負った横島を救うために彼に憑依した神族・韋駄天の八兵衛がその神通力で横島を変身させた姿である。その事件が解決したさい、八兵衛は横島の身体から去り、それと同時にヨコシマンは姿を消したのだが――時を経て、横島が人間をやめ、三界の――デタントの守護者となったさい、ヨコシマンは再臨した!! 神族、魔族がデタントがらみで動けない事件が起こると、大抵の場合横島に声がかかるのだが、時に、横島が動いても問題が発生することもあった。その場合、横島はその素性を隠し、(めちゃくちゃ嫌がりながらも)ヨコシマンとして出動、事件の解決にあたったのだ。今回、横島は非常の手段として文珠に『変/身』の二文字を刻み、ヨコシマン――ヨコシマン・レディーに変身。超加速で茶々丸の前に踊り出て、超加速を解除。右手にサイキックソーサーを出現させて茶々丸を守ったのだ。

「――横島先生、どうかしたのですか?」

「私は横島先生ではない! ヨコシマン・レディーだ!!」

 自分を抱かかえるヨコシマン・レディーに、茶々丸はどー見ても横島やないかい、と問い質し、ヨコシマン・レディーはそれを否定する。そんなヨコシマン・レディーに、茶々丸は彼女の姿を確認し――

(――正体を偽るのも無理はないかと判断します)

 ――小さく頷いた。

 ちなみに、ヨコシマンの姿は口元を覆うマフラーと、ランニングシャツ、トランクスに靴下とスニカーといういでたちであった。ぶっちゃけ、下着姿の変質者。そして、ヨコシマンが横島・忠夫の下着姿+マフラーだとしたら、横島・多々緒の変身したヨコシマン・レディーは――

 口元を覆うマフラー。

 常は結い上げられている、風にたなびく長い漆黒の髪。

 ブラジャー。ショーツ。ガーターベルト。ストッキング。

 そしてパンプス。

 ――どうみても痴女ですありがとうございました。

「ヨコシマン・レディー、今日のことは――」

「誰にも秘密だ」

 冷静なのか、どっから突っ込んだものか迷っているのか。表情の読み取り辛い茶々丸に、ヨコシマン・レディーは、うむ、と鷹揚に頷いた。むろん、エヴァンジェリンくんにも秘密だ、と言うヨコシマン・レディーに、茶々丸は、

(言うべきではないと判断します)

「判りました」

 自分の主が、好意を寄せている相手に奇天烈な性癖があると知れば悲しみ嘆くのではないか――そう判断した茶々丸は、自分を抱かかえるヨコシマン・レディーに頷いた。


『知ってるようで知らない世界〜 if 〜』第六話『登場! ヨコシマン・レディー!!』了

今回のNG

むしろ本編がNG。



後書きという名の言い訳。

ほら、 莫 迦 に な っ た 。シリアスが続かない男、山道冥ですこんばんは。いろいろダイナシズム全開でございますがそこが俺の持ち味ということで、ひとつ。

 嫌 な 持 ち 味 だ 

 あ、あと、葉加瀬フラグが微妙に立ったよーな。葉加瀬との技術論議は超てけとーですのでツッコミはノーサンキューの方向で。 では、また来週ー。





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